1. 伝統的製法と独自セル型製法

逆塩

紅サケを洗浄後、江戸時代から続く伝統的な”逆塩”で塩を施します。逆塩とは塩を尾から頭の方向に皮の上から塩を何度も刷り込む方法です。一本一本手間のかかる作業ですが、近年の塩水漬けのように旨味が流出することはありません。次に、”座切”と呼ばれる塩と魚を交互に重ね、鮭の自重で”塩圧し”をします。このとき、木箱の中に無数の生きた酵母を与え、発酵スターターとします。この状態でセル型木箱の中で紅サケを発酵熟成させます。

セル型杉木箱・座切り
生きた諸味を木箱の隅に少量塗布
塩圧し・熟成

2. ほとばしる複数の酵母で ”混合発酵”

~ 微生物に依らなければ真の塩蔵鮭にならない ~

 

活性して盛んにガスを放出する酵母

耐塩性酵母

この発酵紅鮭に利用する酵母は、天然醸造醤油を作る過程の時期の異なる2種の諸味を利用します。醸造間もない若い諸味からは主発酵酵母(Zygosaccharomyces rouxiiなど)、半年程度経過して熟成の進んだ諸味からは後熟酵母(Candida versatilisなど)。むろんどちらも耐塩性があり、HEMFを生産して重層的なフレーバーを紅サケに与えてくれます。この時エサになるブドウ糖を少量加えて更に活性化させ、木箱の縁にごく少量付着させますが、魚体には直接触れていません。にもかかわらず紅サケの魚肉内部奥にまで浸透するのは、木箱の中でびっしりと酵母が繁殖してその香気成分(HEMF)を多量に生み出しているからと考えられます。

HEMF = 4-Hydroxy-2(or 5)-Ethyl-5(or 2)-Methyl-3(2H)-Furanone

耐塩性酵母

活性して盛んにガスを放出する酵母

この発酵紅鮭に利用する酵母は、天然醸造醤油を作る過程の時期の異なる2種の諸味を利用します。醸造間もない若い諸味からは主発酵酵母(Zygosaccharomyces rouxiiなど)、半年程度経過して熟成の進んだ諸味からは後熟酵母(Candida versatilisなど)。むろんどちらも耐塩性があり、HEMFを生産して重層的なフレーバーを紅サケに与えてくれます。この時エサになるブドウ糖を少量加えて更に活性化させ、木箱の縁にごく少量付着させますが、魚体には直接触れていません。にもかかわらず紅サケの魚肉内部奥にまで浸透するのは、木箱の中でびっしりと酵母が繁殖してその香気成分(HEMF)を多量に生み出しているからと考えられます。

HEMF = 4-Hydroxy-2(or 5)-Ethyl-5(or 2)-Methyl-3(2H)-Furanone